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相続人がいない財産はどうなる?国庫帰属までの流れ

おひとりさまで相続人がいないと財産はどうなるのか。法定相続人の範囲、相続財産清算人の選任から特別縁故者への分与、国庫帰属までの流れと、遺言でできる生前対策を2026年時点で整理します。

「自分が亡くなったら、この家や貯金は誰のものになるのだろう」。配偶者も子もいないおひとりさまにとって、避けて通れない疑問です。相続人がまったくいない場合でも、財産が宙に浮くことはありません。法律で決められた手続きを経て、行き先が定まります。

この記事では、相続人がいないとき財産がどうなるのかを、法定相続人の範囲から国庫に納められるまでの流れに沿って整理します。あわせて生前にできる対策もお伝えします。希望する相手に確実に渡したいなら、自分で決めておく方法があります。

🦉ナビちゃんより
こんにちは、案内役のフクロウ、ナビです。「相続人がいない」と聞くと不安になりますが、財産がどこにも行かず消えてしまうわけではありません。ちゃんと法律で道筋が決まっています。まずはその道筋を知ることから。ホッホッ、順番に見ていきましょう。

相続人がいないと財産はどうなる?

相続人が誰もいない場合、財産は家庭裁判所の手続きを経て、最終的に国のもの(国庫)になります。すぐに国へ行くわけではなく、いくつかの段階を踏みます。

まず家庭裁判所が「相続財産清算人」を選び、借金の支払いや精算を進めます。すべて終えてもなお残った財産が、国庫に帰属します。ただし遺言書があれば別です。遺言で「この人に遺す」と指定していれば、原則その指定が優先されます。財産の行き先は、遺言があるかどうかで大きく分かれます。

法定相続人の範囲はどこまで?

「相続人がいない」と判断する前に、まず誰が法定相続人になりうるかを確認します。配偶者は常に相続人となり、それ以外は子・親・兄弟姉妹の順で決まります

法律で定められた相続人の範囲は、次のとおりです。

立場 順位 説明
配偶者 常に相続人 婚姻している配偶者は順位に関係なく必ず相続人になります
第1順位 子がいればまず相続人。子が先に亡くなっていれば孫が代襲します
直系尊属(親など) 第2順位 子がいない場合に相続人。親がいなければ祖父母
兄弟姉妹 第3順位 子も親もいない場合に相続人。代襲は甥・姪まで

おひとりさまで「相続人がいない」とされるのは、配偶者・子・親・兄弟姉妹のいずれもおらず、兄弟姉妹の子である甥や姪もいない場合です。なお長く音信不通でも、戸籍上たどれる相続人がいれば法定相続人にあたります。本当に誰もいないかは、戸籍をたどって確認されます。

国庫に入るまでの流れは?

相続人がいないことが確定すると、家庭裁判所が相続財産清算人を選び、債権者・受遺者への支払いと特別縁故者への分与を経て、残りが国庫に帰属します

相続財産清算人は、利害関係者や検察官の申立てによって選ばれ、多くは弁護士などの専門家が務めます。2023年の民法改正までは「相続財産管理人」と呼ばれていた役割です。手続きには一定の期間と費用がかかり、申立てには家庭裁判所への予納金が必要になることもあります。おおまかな流れは次のとおりです。

段階 内容
1. 清算人の選任 利害関係者などの申立てで、家庭裁判所が相続財産清算人を選ぶ
2. 公告・債権者への弁済 清算人が公告を行い、借金や未払い費用を財産から支払う
3. 受遺者への引き渡し 遺言で指定された人(受遺者)に財産を渡す
4. 特別縁故者への分与 期間内の申立てにより、内縁の配偶者や療養看護に努めた人などへ分与される場合がある
5. 国庫帰属 以上の手続きを終えてなお残った財産が、国のものになる

特別縁故者とは、亡くなった方と生計を同じくしていた人や、療養看護に尽くした人など、特別な縁があった人を指します。こうした人は、定められた期間内に家庭裁判所へ申立てをすれば、財産の全部または一部の分与を受けられる場合があります。認められるかどうかは家庭裁判所の判断によります。誰も申立てをしなければ、または分与してもなお残りがあれば、その財産は国庫に帰属します。実際の進み方は事案ごとに異なります。

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遺言があれば財産はどうなる?

遺言書があれば、相続人がいない場合でも、原則として遺言で指定した相手に財産を渡せます。希望する行き先を確実にする、最も有効な方法です。

遺言では、お世話になった友人、甥や姪、内縁のパートナー、縁のある団体などへ財産を遺す(遺贈する)ことができます。相続人がいないからといって、財産がそのまま国へ行くと決まっているわけではありません。遺言で受け取る人を決めておけば、その人へ渡る道筋が先につくられます。ただし遺言は形式の要件が厳しく、書き方を誤ると無効になることもあります。作成方法は遺言書の書き方で確認してください。なお財産の額によっては相続税がかかる場合があり、その計算は相続税の基礎控除と計算方法で整理しています。

生前にできる対策は?

相続人がいないおひとりさまが取れる対策の中心は、遺言書の作成と、遺贈寄付などで行き先をあらかじめ決めておくことです。何もしなければ手続き任せになりますが、決めておけば希望を反映できます。

まず財産の棚卸しをして、預貯金・不動産・有価証券などを一覧にします。次に「誰に、何を遺したいか」を考え、遺言書にまとめます。お世話になった人へ遺す、思い入れのある団体へ寄付する(遺贈寄付)など、選択肢はさまざまです。あわせて、亡くなった後の手続きを託す死後事務委任契約や、判断能力が衰えたときに備える任意後見契約も検討すると、生前から最期まで切れ目なく備えられます。迷ったら司法書士や弁護士などの専門家に相談すると安心です。

よくある質問

Q. 相続人がいないと財産は必ず国のものになりますか?
A. 必ずではありません。遺言で受け取る人を指定していれば、その相手に渡ります。また特別縁故者が期間内に申立てをして認められれば、その人へ分与される場合もあります。これらの手続きを経てなお残った財産が、国庫に帰属します。

Q. おひとりさまでも法定相続人がいることはありますか?
A. あります。配偶者や子がいなくても、親や兄弟姉妹、兄弟姉妹の子である甥や姪が法定相続人になることがあります。長く音信不通であっても、戸籍上たどれる相続人がいれば対象です。本当に誰もいないかは、戸籍を確認して判断されます。

Q. 相続財産清算人とは何ですか?
A. 相続人がいない財産を管理・精算するために、家庭裁判所が選ぶ人です。借金の支払いや受遺者への引き渡しなどを行います。2023年の民法改正までは「相続財産管理人」と呼ばれていました。多くは弁護士などの専門家が選ばれます。

Q. 特別縁故者になれば財産をもらえますか?
A. 必ずもらえるわけではありません。生計を同じくしていた人や療養看護に尽くした人などが、期間内に家庭裁判所へ申立てをし、認められた場合に分与を受けられます。認めるかどうかや範囲は、家庭裁判所の判断によります。

Q. 友人や団体に財産を遺すにはどうすればいいですか?
A. 遺言書を作成し、遺したい相手や寄付先を指定する方法が確実です。相続人がいない場合でも、遺言で指定すればその相手へ渡せます。形式の要件が厳しいため、書き方を確認し、不安があれば専門家に相談しましょう。

🦉ナビちゃんからひとこと
法律の手続きは難しく感じますが、要点はひとつ。「決めておけば希望が通り、決めなければ手続き任せになる」。それだけです。あなたの財産は、あなたが行き先を選べます。迷ったら専門家を頼ってくださいね。ホッホッ。

まとめ|行き先は遺言で決められる

相続人がいない場合、財産は家庭裁判所の手続きを経て、債権者や特別縁故者への精算を済ませたうえで、最終的に国庫に帰属します。相続財産清算人の選任から段階を踏んで進みます。法定相続人の範囲は配偶者・子・親・兄弟姉妹(甥姪まで)で、ここに誰もいないとき「相続人がいない」と判断されます。

大切なのは、遺言があれば原則その指定が優先されることです。お世話になった人や応援したい団体へ財産を遺したいなら、生前に遺言書を用意しておきましょう。費用全体の見取り図は親ピラーのおひとりさまの終活費用で確認し、遺言の作り方は遺言書の書き方で押さえておくと、準備がスムーズに進みます。