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遺言書の書き方|おひとりさま向け自筆と公正証書の作り方

遺言書の書き方を、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類でやさしく解説。自筆の要件、法務局の保管制度、公正証書の作り方、費用、遺言執行者の指定まで、おひとりさま向けに2026年時点の情報で整理します。

「お世話になった人に、ちゃんと財産を遺したい」。おひとりさまにとって、その願いを確実に実現する唯一の手段が遺言書です。遺言書がなければ、財産は法律で決まった相続人へ渡るか、相続人がいなければ最終的に国に納められます。

遺言書には「自分で書く」自筆証書遺言と、「公証人が作る」公正証書遺言があります。手軽さなら自筆、確実さなら公正証書。それぞれに正しい書き方とルールがあり、形式を間違えると無効になることもあります。この記事では、2種類の書き方と費用、おひとりさまが押さえたい遺言執行者の指定までを整理します。読み終わるころには、自分に合う遺言の形が決まっています。

🦉ナビちゃんより
こんにちは、案内役のフクロウ、ナビです。遺言書は「お金持ちのもの」と思われがちですが、そんなことはありません。わずかな預貯金でも、行き先を決めたい相手がいるなら、遺言書の出番ですよ。ホッホッ。

おひとりさまに遺言書はなぜ必要?

おひとりさまに遺言書が必要なのは、遺言書がないと、財産を渡したい相手に確実に渡せないからです。

法律では、配偶者も子もいない場合、親、いなければ兄弟姉妹が相続人になります。「お世話になった姪に」「親しい友人に」「縁のある団体に寄付したい」という希望は、相続人かどうかに関わらず、遺言書がなければ実現できません。相続人が誰もいない場合は、遺言書がない限り財産は最終的に国に納められます。

つまり、自分の意思で財産の行き先を決められる唯一の方法が遺言書です。金額の大小ではなく、「渡したい相手がいるかどうか」で必要性が決まります。

遺言書には何種類ある?自筆と公正証書の違い

おひとりさまが使う遺言書は、主に自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類です。手軽さと確実さのどちらを取るかで選びます。

自筆証書遺言 公正証書遺言
作る人 本人が自分で書く 公証人が作成
証人 不要 2人以上が必要
費用 ほぼ無料(保管制度は手数料あり) 公証人手数料+専門家報酬
無効リスク 形式不備で無効になることも 無効になりにくい
保管 自宅または法務局の保管制度 公証役場が原本を保管

費用を抑えたいなら自筆、確実性を重視するなら公正証書が向きます。おひとりさまは、遺言書を確実に実行してもらえることが大切なので、公正証書遺言を選ぶ人が多い傾向にあります。

自筆証書遺言の書き方は?

自筆証書遺言は、遺言の本文・日付・氏名をすべて自分で手書きし、押印するのが基本のルールです(民法の定める要件)。

  • 本文は全文を自書する(パソコンや代筆は不可)
  • 作成した日付を正確に書く(「吉日」は不可)
  • 氏名を自書し、押印する(認印でも可)
  • 書き間違いの訂正は、定められた方式で行う

2019年からは、財産の一覧(財産目録)に限り、パソコンで作成したり通帳のコピーを添付したりできるようになりました(各ページに署名と押印が必要)。要件を1つでも欠くと無効になるおそれがあるため、不安な場合は専門家に確認してもらいましょう。

なお、自宅で保管した自筆証書遺言は、亡くなった後に家庭裁判所での「検認」という手続きが必要です。次に紹介する法務局の保管制度を使えば、この検認が不要になります。

法務局の保管制度とは?

法務局の自筆証書遺言書保管制度は、自分で書いた遺言書を法務局が預かってくれる制度です(2020年7月に開始)。

この制度を使うと、遺言書の紛失や改ざん、誰かに見つからないリスクを防げます。さらに、亡くなった後の家庭裁判所での検認も不要になります。申請には所定の手数料(1件あたり数千円程度)がかかります。保管時に形式のチェックも受けられるため、自筆証書遺言を選ぶおひとりさまには心強い仕組みです。

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公正証書遺言の作り方は?

公正証書遺言は、公証役場で、公証人が本人の意思を聞き取って作成する遺言書です。最も確実な方法とされています。

作成の流れは、まず財産の内容と渡したい相手を整理し、必要書類(本人確認書類、財産関係の資料など)をそろえます。次に証人2人以上の立ち会いのもと、公証人が遺言の内容を文章にし、本人と証人が確認して署名・押印します。原本は公証役場が保管するため、紛失や改ざんの心配がありません。亡くなった後の検認も不要です。

証人は、相続人になる予定の人など一定の関係者はなれません。身近に頼める人がいない場合は、専門家に依頼すると証人の手配もしてもらえます。

おひとりさまの遺言で気をつけることは?

おひとりさまの遺言では、「遺言執行者」を指定しておくことが大切です。遺言執行者とは、遺言の内容を実際に実現してくれる人のことです。

おひとりさまは、遺言を実行してくれる家族がいないことが多いため、信頼できる専門家(司法書士・弁護士など)を遺言執行者に指定しておくと、預貯金の解約や名義変更などをスムーズに進めてもらえます。あわせて、付言事項(法的効力はないが想いを伝える文章)で、なぜその人に遺すのかを書き添えると、受け取る人が安心します。

遺言書を作ったら、その存在と保管場所を遺言執行者や信頼できる人に伝えておきましょう。せっかく書いても気づかれなければ意味がありません。

よくある質問

Q. 遺言書の書き方で最初に決めることは何ですか?
A. 「誰に・何を遺すか」を決めることです。財産の一覧を作り、渡したい相手を整理します。そのうえで、手軽な自筆証書遺言か、確実な公正証書遺言かを選びます。おひとりさまは確実性を重視して公正証書を選ぶ人が多い傾向です。

Q. 自筆証書遺言は何に気をつければ無効になりませんか?
A. 本文・日付・氏名をすべて自書し、押印することが必要です。日付に「吉日」は使えません。財産目録だけはパソコン作成も可能ですが、各ページに署名押印が要ります。要件を欠くと無効になるため、不安なら専門家に確認しましょう。

Q. 法務局の保管制度を使うとどんな利点がありますか?
A. 遺言書の紛失・改ざんを防げ、亡くなった後の家庭裁判所での検認が不要になります。2020年7月開始の制度で、申請に数千円程度の手数料がかかります。自筆証書遺言を選ぶおひとりさまに向いています。

Q. 公正証書遺言の証人は誰でもなれますか?
A. なれません。相続人になる予定の人や、その配偶者・直系血族などは証人になれません。身近に適任者がいない場合は、専門家に依頼すると証人を手配してもらえます。

Q. 遺言執行者は指定したほうがいいですか?
A. はい、特におひとりさまは指定をおすすめします。遺言を実際に実現してくれる人がいないと手続きが滞ります。司法書士や弁護士などを指定しておくと、預貯金の解約や名義変更を確実に進めてもらえます。

🦉ナビちゃんからひとこと
遺言書は、一度書いたら終わりではありません。気持ちや状況が変わったら、何度でも書き直せます。まずは「誰に遺したいか」を一行書くところから。それが、立派な第一歩ですよ。ホッホッ。

まとめ|確実さなら公正証書、まず財産と相手を整理

遺言書は、おひとりさまが財産の行き先を自分の意思で決められる唯一の手段です。手軽さなら自筆証書遺言、確実さなら公正証書遺言。自筆を選ぶなら法務局の保管制度を使うと、紛失や検認の心配がなくなります。

おひとりさまは、遺言執行者を指定しておくと、遺言の内容が確実に実現されます。まずは費用・お金のピラー記事(おひとりさまの終活費用)で全体像を確認し、財産と渡したい相手を整理するところから始めましょう。形式に不安があれば、早めに専門家へ相談してください。