成年後見の申立て方法は?流れと必要書類を解説
法定後見(成年後見)の申立て方法を、申立てできる人・家庭裁判所への流れ・必要書類・費用・期間に分けて、おひとりさま視点で2026年時点の情報として整理します。市町村長申立ても解説します。
「親が認知症になったけれど、銀行のお金を動かせない」「自分が判断力を失ったら、誰が手続きをしてくれるのか」。判断力が落ちた人を支える仕組みが、成年後見(法定後見)です。利用するには、家庭裁判所への申立てという決まった手続きを踏みます。
この記事では、成年後見の申立て方法を、申立てができる人・家庭裁判所への流れ・必要書類・費用・期間に分けて整理します。身寄りがないおひとりさまでも使える「市町村長申立て」にも触れます。読み終わるころには、何から始めればいいかがはっきりします。なお手続きや費用、必要書類は家庭裁判所や事案によって異なります。本記事は2026年時点の一般的な情報です。
🦉ナビちゃんより
こんにちは、案内役のフクロウ、ナビです。成年後見の申立ては書類が多く、ひるんでしまう方が多いんです。でも流れを分けて見れば、ひとつずつ進められます。判断力があるうちなら別の備えも選べますから、その違いもお伝えしますね。ホッホッ。
成年後見の申立てとは?どんなときに使う?
成年後見の申立てとは、本人の判断能力が低下したときに、家庭裁判所へ後見人等の選任を求める手続きです。認知症や知的障害、精神障害などで、お金の管理や契約が自分では難しくなった人を支えるために使います。
成年後見(法定後見)には、判断能力の程度に応じて3つの類型があります。判断能力がほとんどない場合は「後見」、著しく不十分な場合は「保佐」、不十分な場合は「補助」です。どの類型になるかは、診断書などをもとに家庭裁判所が判断します。本記事では、もっとも多く使われる「後見」を中心に説明します。
申立てができるのは、すでに判断力が低下している場合です。元気で判断力があるうちは、自分で備えを選べる任意後見という別の選択肢があります。詳しくは身元保証・契約の基本で整理しています。
成年後見の申立てができる人は誰?
申立てができるのは、本人・配偶者・四親等内の親族・市町村長など、法律で決められた人です。誰でも申し立てられるわけではありません。
おもな申立人は次のとおりです。
| 申立人 | 説明 |
|---|---|
| 本人 | 判断力が残っている範囲で自ら申立て |
| 配偶者 | 夫または妻 |
| 四親等内の親族 | 親・子・きょうだい・おい・めい・いとこなど |
| 市町村長 | 身寄りがない、または親族が協力しない場合 |
| 検察官 | 申立人がいない例外的な場合 |
身寄りがないおひとりさまや、親族が遠方で協力できない場合に重要になるのが、市町村長申立てです。これは、本人の福祉のために必要があると認めるとき、本人が住む市区町村の長が申立てを行う仕組みです。実際には、地域包括支援センターや福祉の窓口が関わって進むことが多く、ひとりでも制度から取り残されないための受け皿になっています。
成年後見の申立ての流れは?【6ステップ】
申立ての流れは、家庭裁判所への相談から後見人選任の登記まで、大きく6つのステップで進みます。
| ステップ | 内容 | 場所・担当 |
|---|---|---|
| 1 | 家庭裁判所へ相談し、申立て書類一式を入手する | 本人の住所地の家裁 |
| 2 | 必要書類と診断書(成年後見用)を準備する | 申立人・医療機関 |
| 3 | 本人の住所地の家庭裁判所へ申立てる | 家庭裁判所 |
| 4 | 家裁による調査・面接、必要に応じて鑑定 | 家庭裁判所・医師 |
| 5 | 審判(後見人等が選任される) | 家庭裁判所 |
| 6 | 法務局に登記される | 法務局 |
ステップ1の相談は、本人が住む地域を管轄する家庭裁判所で行います。各家裁の窓口やウェブサイトに申立てセットが用意されています。ステップ4の鑑定は、本人の判断能力を医師が詳しく診断するもので、必要と判断された場合のみ行われます。鑑定が入らないケースも多くあります。
申立てから審判までの期間は、おおむね数週間から数か月です。書類がそろっていればスムーズに進みますが、鑑定が必要な場合や書類の補正が必要な場合は長くなります。
成年後見の申立てに必要な書類は?
必要な書類は、申立書、本人の戸籍関係書類、診断書、財産の資料、費用としての印紙・切手などです。
おもな必要書類は次のとおりです。
| 書類・費用 | 内容 |
|---|---|
| 申立書一式 | 申立書、申立事情説明書、親族関係図など |
| 本人の戸籍謄本・住民票 | 本人の身分関係を示す書類 |
| 診断書(成年後見用) | 主治医などが作成する所定の様式 |
| 財産目録・収支予定表 | 預貯金・不動産・収入支出の一覧 |
| 後見人候補者の資料 | 候補者がいる場合の住民票など |
| 収入印紙 | 申立手数料・登記手数料 |
| 郵便切手 | 連絡用 |
| 鑑定費用 | 鑑定が必要な場合のみ |
費用の目安として、申立てそのものにかかる収入印紙や登記手数料、切手代は合わせて数千円程度です。ここに鑑定が加わると、数万円から十数万円ほどの鑑定費用が別にかかる場合があります。診断書の作成料は医療機関によって異なります。金額は家庭裁判所や事案で変わるため、相談の段階で確認してください。
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申立てをしたら取り下げできる?後見人は選べる?
申立ては原則として家庭裁判所の許可なく取り下げられず、後見人も最終的には家裁が選ぶ点に注意が必要です。
いったん申立てをすると、「やっぱりやめたい」と思っても、自由には取り下げられません。本人の保護のために必要と判断された手続きだからです。取り下げには家庭裁判所の許可がいります。
また、申立てのときに後見人の候補者を立てることはできますが、その人が必ず選ばれるとは限りません。財産が多い、親族間で意見が分かれているといった事情があると、弁護士や司法書士など専門職が選ばれることがあります。誰が後見人になるかの考え方は、成年後見人には誰がなるで詳しく整理しています。
おひとりさまは判断力があるうちに何ができる?
判断力があるうちなら、自分で支える人を選べる「任意後見」という備えを用意できます。
法定後見は、判断力が落ちた後に家庭裁判所が後見人を選ぶ制度です。これに対して任意後見は、元気なうちに「将来支えてほしい人」を自分で決めて契約しておく仕組みです。おひとりさまにとっては、信頼できる人や専門家を自分で指名できる点が大きな違いになります。
ただし任意後見は、判断力があるうちにしか始められません。気づいたときには判断力が落ちていて、法定後見しか選べないというケースもあります。だからこそ、元気な今のうちに選択肢を知っておくことが大切です。身寄りがないおひとりさまは、市町村長申立てという最後の受け皿も覚えておくと安心できます。
よくある質問
Q. 成年後見の申立ては本人以外でもできますか?
できます。配偶者、四親等内の親族(親・子・きょうだい・おい・めい・いとこなど)が申立人になれます。身寄りがない場合は市町村長が申し立てる制度もあります。
Q. 成年後見の申立てから選任までどのくらいの期間がかかりますか?
おおむね数週間から数か月です。書類がそろっていれば早く進みますが、鑑定が必要な場合や書類の補正が必要な場合は長くなることがあります。
Q. 申立ての費用はいくらかかりますか?
収入印紙・登記手数料・切手代で合わせて数千円程度が目安です。鑑定が必要な場合は、別に数万円から十数万円ほどの鑑定費用がかかることがあります。診断書の作成料は医療機関により異なります。
Q. 身寄りがないおひとりさまでも成年後見は使えますか?
使えます。本人が申し立てられない状態でも、市町村長申立てという仕組みがあります。地域包括支援センターや福祉の窓口に相談すると進めやすくなります。
Q. 後見人は希望した人を指定できますか?
候補者を立てることはできますが、必ず選ばれるとは限りません。財産状況や親族間の事情によっては、家庭裁判所が弁護士や司法書士などの専門職を選任することがあります。
🦉ナビちゃんからひとこと
成年後見の申立ては、流れと書類さえ押さえれば、ひとつずつ進められます。身寄りがなくても市町村長申立てという道があり、地域包括支援センターが力になってくれます。判断力があるうちなら、任意後見という備えも選べますよ。ホッホッ。
まとめ|成年後見の申立ては流れと書類を押さえて進める
成年後見(法定後見)の申立ては、本人の判断力が低下したときに家庭裁判所へ後見人の選任を求める手続きです。申立てができるのは本人・配偶者・四親等内の親族・市町村長などで、身寄りがないおひとりさまには市町村長申立てという受け皿があります。
流れは、家裁への相談、必要書類と診断書の準備、申立て、調査・鑑定、審判、登記の6ステップ。期間はおおむね数週間から数か月、費用は印紙・切手などで数千円程度、鑑定が入れば別途数万円から十数万円ほどです。いったん申し立てると原則取り下げできず、後見人も家裁が選ぶ点に注意してください。
判断力があるうちなら、自分で支える人を選べる任意後見という選択肢もあります。法定後見は判断力が落ちた後の制度です。手続き・費用・必要書類は家庭裁判所や事案で異なります。2026年時点の情報として参考にし、詳しくは家庭裁判所や専門家に確認してください。