家族信託の費用はいくら?初期費用の内訳を解説
家族信託にかかる費用は、コンサル報酬・公正証書・信託登記の登録免許税・専門家報酬が中心です。総額の目安と内訳を、おひとりさま視点で2026年時点の情報をもとに整理しました。
家族信託を検討するとき、いちばん気になるのが「いったいいくらかかるのか」という費用面ではないでしょうか。調べると「数十万円」とも「100万円超」とも書かれていて、かえって不安になる方も多いはずです。
家族信託の費用は、その大半が契約をつくるときの初期費用です。何にいくらかかるのかを項目ごとに分けて見れば、おおよその総額はつかめます。この記事では、家族信託の費用内訳と総額の目安を、おひとりさまの視点も交えて整理します。
🦉ナビちゃんより
家族信託の費用は「最初にまとまったお金がかかるけれど、その後はあまりかからない」というのが特徴ですホッホッ。まずは内訳を一つずつ見ていきましょう。
家族信託の費用はいくらが目安?
家族信託の費用は、信託する財産や不動産の有無によって変わりますが、おおむね30万円〜100万円超が目安です。
費用が大きく動く理由は、専門家へのコンサルティング報酬が信託財産の評価額に応じて決まることと、不動産を信託する場合に登記費用が上乗せされることにあります。現金だけを信託する小さな規模なら数十万円、自宅などの不動産を含み財産も多い場合は100万円を超えることもあります。
なお、ここで紹介する金額はあくまで2026年時点の一般的な目安です。報酬体系は専門家によって異なり、税率や手続きの取扱いも変わることがあります。正確な額は、依頼先の司法書士や弁護士の見積もりで確認してください。
家族信託の費用内訳は?項目ごとの相場
家族信託の主な費用は、専門家への報酬・公証役場の手数料・不動産の登記費用の3つに分けられます。
それぞれの目安を表にまとめました。
| 費用項目 | 目安 | 内容 |
|---|---|---|
| コンサルティング報酬 | 信託財産評価額の1%前後(最低30万円〜) | 専門家による信託の設計・組成 |
| 信託契約書の文案作成報酬 | 数十万円(コンサルに含む場合も) | 契約書を作成する専門家報酬 |
| 公正証書化の公証人手数料 | 数万円〜 | 契約書を公正証書にする費用 |
| 信託登記の登録免許税 | 固定資産税評価額×0.4%(土地は0.3%等) | 不動産を信託する場合の税金 |
| 登記の司法書士報酬 | 10万円前後 | 信託登記を代行する手続き報酬 |
このうち、コンサルティング報酬がもっとも大きな割合を占めることが多く、費用全体を左右します。一方で、現金のみを信託して不動産を含まないなら、登録免許税や司法書士報酬はかからず、総額を抑えられます。
家族信託そのものの仕組みを先に知っておきたい方は、家族信託とはの記事もあわせてご覧ください。
コンサルティング報酬の相場は?
コンサルティング報酬は、信託財産の評価額の1%前後が一つの目安で、最低でも30万円程度からとする専門家が多いです。
家族信託は、誰の財産を、誰が管理し、誰のために使うのかを設計し、契約書という形に落とし込む作業が必要です。この設計・組成にあたる部分がコンサルティング報酬にあたります。たとえば信託財産が3,000万円であれば、1%で30万円前後が一つの目安になります。
ただし、この料率や最低報酬額は事務所ごとに差があります。「財産額にかかわらず一律いくら」という料金設定の事務所もあります。複数の専門家に相談して、報酬体系と見積もりを比べてみるとよいでしょう。
信託契約書の作成と公正証書の費用は?
信託契約書の文案作成は専門家報酬として数十万円が目安で、公正証書にする場合は公証人手数料として数万円〜が別途かかります。
家族信託は口約束では成り立たず、契約書を作成します。この契約書の文案を専門家に作ってもらう報酬は、先ほどのコンサルティング報酬に含まれていることもあれば、別立てになっていることもあります。見積もりを取るときは、どこまでが報酬に含まれるのかを確認しておくと安心です。
そのうえで、信託契約書は公正証書にしておくのが一般的です。公正証書にすると、内容が公証人によって確認され、原本が公証役場に保管されるため、後々のトラブルを防ぎやすくなります。この公証人手数料は信託財産の額に応じて変わりますが、数万円からが目安です。
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信託登記の登録免許税はいくら?
不動産を信託する場合、信託登記の登録免許税は固定資産税評価額に対して原則0.4%、土地については軽減措置で0.3%となるのが2026年時点の取扱いです。
自宅などの不動産を家族信託の対象にするときは、その不動産を「信託財産である」と登記簿に記録する信託登記が必要になります。このとき国に納めるのが登録免許税です。
たとえば固定資産税評価額が2,000万円の建物なら、0.4%で8万円が目安です。土地の場合は軽減措置により0.3%が適用されることがあり、税率は対象や時期によって変わります。登録免許税の軽減措置には適用期限が設けられている場合があるため、最新の税率は司法書士に確認してください。
なお、この登記手続きを司法書士に依頼する報酬として、別途10万円前後が必要になります。現金のみの信託で不動産を含まなければ、この登記関連の費用はかかりません。
家族信託の費用は契約後もかかる?
家族信託は初期費用が中心で、契約後のランニングコストは基本的に低く抑えられます。受託者が親族なら、管理の報酬を無報酬とすることも可能です。
家族信託では、財産を預かって管理する人を受託者と呼びます。この受託者を子どもや親族にお願いする場合、受託者への報酬を設けないことができ、その分の継続的な支出は発生しません。
ただし、受託者がきちんと役割を果たしているかを見守る「信託監督人」を専門家に依頼すると、その分の継続報酬が発生します。また、ここで注意したいのは、家族信託は節税商品ではないという点です。財産の管理を柔軟にする仕組みであって、税金そのものを軽くするためのものではありません。税金対策を期待して始めるものではない、と理解しておきましょう。
身元保証や各種契約の基本的な考え方は、身元保証・契約の基本で整理しています。
おひとりさまは家族信託を使える?
おひとりさまの場合、受託者を引き受けてくれる家族がいないと家族信託は使いにくく、別の制度を検討することになります。
家族信託は、信頼できる家族に財産管理を託す仕組みです。そのため、受託者になってくれる親族が身近にいることが前提になります。配偶者や子どもがおらず、頼める親族もいないおひとりさまの場合、この前提を満たすのが難しいことがあります。
そうしたときには、認知症などで判断能力が低下したときに備える「任意後見」や、元気なうちから財産の管理を任せる「財産管理委任」が現実的な選択肢になります。家族信託にこだわらず、自分の状況に合った制度を専門家に相談しながら選ぶことが大切です。
よくある質問
Q. 家族信託の費用は誰が払うのですか?
一般的には、財産を託す側である委託者本人が負担します。自分の財産を将来どう管理してもらうかを決めるための費用なので、本人が支払うのが通例です。具体的な負担方法は、専門家への相談時に確認してください。
Q. 家族信託の費用は分割払いできますか?
コンサルティング報酬や登記費用は、契約を組成する初期にまとめて支払うのが一般的です。分割払いに対応するかどうかは事務所によって異なるため、見積もりの段階で支払い方法も相談しておくと安心です。
Q. 現金だけを信託する場合も費用は高いですか?
不動産を含まない場合は、登録免許税や登記の司法書士報酬がかからないため、総額を抑えやすくなります。ただしコンサルティング報酬や公正証書の費用は発生します。財産の規模によって金額は変わります。
Q. 家族信託は節税になりますか?
家族信託は財産管理を柔軟にする仕組みであり、それ自体が節税につながるものではありません。税金面の取扱いは個別の事情で異なるため、税理士などの専門家に確認することをおすすめします。
Q. 費用を抑える方法はありますか?
信託する財産の範囲を必要な分にしぼる、複数の専門家から見積もりを取って比較するといった工夫で、費用を見直せることがあります。安さだけでなく、設計の内容や信頼性もあわせて検討してください。
🦉ナビちゃんからひとこと
家族信託の費用は「高い・安い」だけで決めず、自分にとって本当に必要な仕組みかどうかを見極めることが大切ですホッホッ。おひとりさまは特に、他の制度との比較も忘れずに。
まとめ|家族信託の費用は内訳で考える
家族信託の費用は、コンサルティング報酬・公正証書の手数料・不動産がある場合の登録免許税と司法書士報酬が中心で、総額はおおむね30万円〜100万円超が目安です。その大半は契約をつくるときの初期費用で、契約後の負担は抑えやすいのが特徴です。
ただし、金額は信託する財産や不動産の有無によって大きく変わり、報酬体系も専門家ごとに異なります。本記事の金額は2026年時点の目安であり、登録免許税率や正確な額は司法書士や弁護士の見積もりで確認してください。
おひとりさまの場合は、受託者を頼める家族がいるかどうかが分かれ目になります。家族信託が使いにくいときは、任意後見や財産管理委任といった選択肢も視野に入れて、自分に合った備えを選んでいきましょう。