遺贈寄付とは|おひとりさまが遺産を団体に寄付するしくみ
遺贈寄付とは何かをやさしく解説。相続人がいないおひとりさまに選ばれる理由、包括遺贈・特定遺贈や換価型などの種類、遺言書での進め方、不動産が受け取れない・遺留分・相続税といった注意点まで、2026年時点の情報で中立に整理します。
「遺した財産を、国に納めるより役立ててほしい先に届けたい」。相続人がいないおひとりさまにとって、その思いをかなえる方法のひとつが遺贈寄付です。亡くなったあと、遺産の一部または全部を、社会貢献団体やNPO、母校などに寄付するしくみをいいます。
遺贈寄付は、遺言書に「どこへ、いくら(または何を)寄付するか」を書いておくことで実現します。金額の大小よりも、「自分の財産を最後にどう活かすか」を決められる点に意味があります。この記事では、遺贈寄付とは何か、おひとりさまに選ばれる理由、寄付の種類と進め方、注意点までを2026年時点の情報で整理します。読み終わるころには、自分の選択肢になるかどうかが見えてきます。
🦉ナビちゃんより
こんにちは、案内役のフクロウ、ナビです。遺贈寄付は「大きな財産がある人だけのもの」と思われがちですが、預貯金の一部からでも始められます。大切なのは金額より「どこへ届けたいか」ですよ。ホッホッ。
遺贈寄付とは?
遺贈寄付とは、亡くなったあとに、遺産の一部または全部を社会貢献団体やNPO、学校などに寄付することです。遺言書に意思を書いておくと、遺言の効力で財産が寄付先に渡ります。
通常の寄付が生きている間に行うのに対し、遺贈寄付は亡くなったあと、遺した財産から行う点が違います。寄付先は、認定NPO法人、公益財団法人、社会福祉法人、大学、自治体など幅広く選べます。
おひとりさまにとっては、財産を渡す相手を相続人に限らず決められる手段です。金額も「預貯金のうち○○万円」のように自分で決められます。
おひとりさまに向いている?
おひとりさまに遺贈寄付が向いているのは、相続人がいないと、何もしなければ財産が最終的に国に納められるからです。
法律では、配偶者も子も親も兄弟姉妹もいないおひとりさまが遺言書もなく亡くなると、財産は特別な縁故者への分与などを経て最終的に国庫に帰属します。「国に納めるより、応援したい活動に役立ててほしい」という思いがあるなら、遺贈寄付はその受け皿になります。相続人がいない場合の財産の流れは複雑なため、詳しくは関連記事「相続人がいない財産」で確認してください。
どんな種類がある?
遺贈寄付には、遺言による遺贈・相続財産からの寄付・信託を使う方法などがあります。本人が生前に決める中心は、遺言による遺贈です。
| 種類 | 内容 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 包括遺贈 | 「財産の○分の1」など割合で遺贈する | 借金などマイナス財産も引き継ぐ |
| 特定遺贈 | 「預貯金○○万円」など財産を特定して遺贈する | 財産を限定でき団体が受けやすい |
| 換価型遺贈 | 不動産などを売り現金にして寄付する | 現物を受け取れない団体でも可 |
| 相続財産からの寄付 | 相続人が受け取った財産から寄付する | 本人でなく相続人が行う方法 |
このほか、信託のしくみで寄付を実現する方法もありますが、専門的なため取扱機関への相談が前提です。おひとりさまは、寄付先が受けやすい特定遺贈や換価型遺贈を選ぶ傾向です。包括遺贈は割合で渡せる手軽さがある一方、マイナスの財産も引き継がれる点に注意が必要です。
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進め方は?
遺贈寄付の進め方は、寄付先への事前相談、遺言書への記載、遺言執行者の指定が基本の流れです。
まず、寄付したい団体に「遺贈寄付を受け付けているか」「現金のみか、不動産も可能か」を事前に相談します。次に財産の一覧を整理し、遺言書に寄付先の正式名称・寄付する財産・割合または金額を正確に書きます。寄付先の名称は公式情報で確認しておくと安心です。
最後に、遺言の内容を実現してくれる遺言執行者を指定します。おひとりさまは手続きを進める家族がいないことが多いため、司法書士・弁護士などの専門家を指定しておくと、寄付の手続きをスムーズに進めてもらえます。遺言書の作り方は関連記事「遺言書の書き方」をご覧ください。
注意点は?
遺贈寄付で気をつけたいのは、現物は受け取れない団体が多いこと、遺留分への配慮、相続税の扱いの3点です。
寄付先の多くは、不動産や株式などの現物を受け取らず、現金のみを受け付けています。不動産を遺贈したい場合は、換価型遺贈(売って現金にしてから寄付する方法)を検討します。事前相談で団体の受け入れ方針を確認してください。なお、不動産や株式など含み益のある現物を法人に寄付したり、換価型遺贈で売却したりすると、その値上がり益に譲渡所得税(みなし譲渡課税)がかかる場合があります。この点も専門家に確認しておくと安心です。
また、兄弟姉妹以外の相続人(配偶者・子・親など)には遺留分という最低限の取り分があり、すべてを寄付に回すと相続人とトラブルになることがあります。相続人がいるおひとりさまは配慮が必要です。なお、一定の公益法人などへの遺贈は相続税が非課税となるケースもありますが、要件があり扱いが変わるため、税金の判断は専門家や寄付先への確認をおすすめします。
よくある質問
Q. 遺贈寄付は遺言書がなくてもできますか?
A. 本人による遺贈寄付は、遺言書に内容を記載して行うのが基本です。遺言書がなければ、亡くなったあとに本人の意思で寄付先へ財産を渡せません。なお相続人が受け取った財産から寄付する「相続財産からの寄付」は相続人が行う別の方法で、本人の意思で寄付するなら遺言書が前提です。
Q. 包括遺贈と特定遺贈はどう違いますか?
A. 包括遺贈は「財産の○分の1」のように割合で渡す方法で、借金などマイナスの財産も引き継がれます。特定遺贈は「預貯金○○万円」のように財産を特定して渡す方法です。寄付先の団体は受けやすさから特定遺贈を希望することが多く、どちらが合うかは寄付先と相談しましょう。
Q. 不動産を寄付したいのですが受け取ってもらえますか?
A. 現物の不動産は受け取らず、現金のみを受け付ける団体が多いです。不動産を寄付したい場合は、売却して現金にしてから寄付する換価型遺贈を使う方法があります。受け入れ方針は団体ごとに異なるため、遺言書を作る前に寄付先へ相談してください。
Q. 遺贈寄付をすると相続税はかかりますか?
A. 一定の公益法人や認定NPO法人などへの遺贈寄付は、相続税が非課税となるケースがあります。ただし寄付先の種類や財産の内容、申告などの要件があり、すべてが非課税になるわけではありません。2026年時点でも扱いが複雑なため、税理士や寄付先への確認をおすすめします。
Q. 遺贈寄付の手続きは誰が進めてくれますか?
A. 遺言書で指定した遺言執行者が、寄付先への財産の引き渡しなどの手続きを進めます。おひとりさまは手続きを担う家族がいないことが多いため、司法書士や弁護士などの専門家を遺言執行者に指定しておくと安心です。寄付先や専門家への事前相談で進めやすくなります。
🦉ナビちゃんからひとこと
遺贈寄付は、自分の財産に最後の役目を持たせる選び方です。応援したい活動や感謝を伝えたい場所が思い浮かんだら、まずはその名前をメモするところから始めてくださいね。ホッホッ。
まとめ|国庫より「役立てたい先」へ、まず寄付先に相談を
遺贈寄付とは、亡くなったあとに遺産の一部または全部を団体やNPOなどに寄付するしくみです。相続人がいないおひとりさまには、財産を国に納める代わりに役立ててほしい先へ届けられる選択肢です。包括遺贈・特定遺贈・換価型遺贈などの種類があり、寄付先が受けやすい形を選びましょう。
進め方は、寄付先への事前相談、遺言書への記載、遺言執行者の指定が基本です。現物を受け取れない団体が多いこと、遺留分への配慮、相続税の要件には注意してください。まずは親ピラー「おひとりさまの手続き・契約」で全体像を確認し、遺言書の作り方は「遺言書の書き方」、相続人がいない場合の流れは「相続人がいない財産」で押さえましょう。迷ったら早めに専門家や寄付先へ相談してください。